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広告運用の際には目標を明確にし、その目標を達成に必要な指標は何かをしっかりと把握していくことが重要です。目標の中でも重要なのが「顧客獲得数(CV)」という目標です。たとえば商品購入数、会員登録数、来客数などです。それら目標の顧客獲得数(CV数)を達成するために、どのくらいの広告費が必要なのかを見積もってみましょう。
広告の基本である目標設定と数値の把握
広告運用における目標設定の考え方はさまざまですが、わかりやすいのが「何を達成したいのか」から考えるというものです。会社のマーケティング担当者や広告運用担当者が重要視するのが「顧客獲得数(CV数)」だと言えます。
広告費を計算するのには他に「コンバージョン率(CVR)」、「クリック単価(CPC)・広告反応単価」の指標について把握しておく必要があるので事前に目安の数値を把握しておきましょう。
コンバージョン率(CVR)とは
コンバージョン率(CVR)とは、広告に接触したユーザーのうち、実際に成約・獲得にに結びついた顧客割合のことを指します。例えば、100人中2人が購入したとすると「CVRは2%」を意味します。
まずはこのコンバージョン率(CVR)を仮説立てする必要があります。
自社の業態・商材がどのくらいのがコンバージョン率(CVR)があるのかというと、実際に広告を作成し運用してみなければわかりませんが、まずは利用する広告媒体の「業界の目安・平均の数値」や競合他社の数値を参考にしてみましょう。
以下の表は、Google広告のCVRの数値です。
世界平均の数値なため、実際には国ごとに差があり、国内の平均数値とはズレがある場合があります。
全業種の平均だと、リスティング広告の場合コンバージョン率(CVR)は3.75%、ディスプレイ広告の場合は0.77%です。これらを参考に目安のコンバージョン率を設定してみましょう。
業種別平均コンバージョン率(CVR)
業界 | リスティング広告 | ディスプレイ広告 |
---|---|---|
アドボカシー | 1.96% | 1.00% |
自動車 | 6.03% | 1.19% |
B2B | 3.04% | 0.80% |
消費者サービス | 6.64% | 0.98% |
デート & 出会い | 9.64% | 3.34% |
Eコマース | 2.81% | 0.59% |
教育 | 3.39% | 0.50% |
雇用サービス | 5.13% | 1.57% |
金融 & 保険 | 5.10% | 1.19% |
健康 & 医療 | 3.36% | 0.82% |
家庭用品 | 2.70% | 0.43% |
産業サービス | 3.37% | 0.94% |
法律 | 6.98% | 1.84% |
不動産 | 2.47% | 0.80% |
技術 | 2.92% | 0.86% |
旅行 & ホスピタリティ | 3.55% | 0.51% |
クリック単価(CPC)・広告反応単価とは
CPCとは、Webマーケティング専用の指標とも言えますが、広告が1回クリックされるごとに発生するコストのことを指します。広告運用においては、このCPCとCVRによって広告費の基準が決まるのため重要な指標となります。
Web以外でも広義的に言うのであれば「広告反応単価」「広告アクション単価」「見込み客獲得単価」とも言います。
CPCと同じように、広告を見たユーザーが1回アクションを起こすのに必要なコストとなります。
たとえばチラシであれば、ポスティングしたチラシのうち、何件お問い合わせがあったのかを把握し、チラシ作成・配布のコストからお問い合わせ数を割って計算を行い、1件あたりのお問い合わせ獲得コストを計算します。
CPCの計算式
CPCの求め方は以下のとおりです。
CPC = 広告費用 ÷ クリック数
広告費用からクリック数を割った数値がCPCです。
CPCは広告媒体や日によって変動があるため、ご利用の広告媒体でのCPCの目安を調べてみましょう。
たとえばリスティング広告であれば、Googleのキーワードプランナーなどを利用することでCPCの目安を知ることができます。
キーワード プランナーで最適なキーワード選択 – Google 広告
必要な広告費の計算方法
それでは実際にどのくらいの広告費が必要なのかを、目標の顧客獲得数(CV数)から計算してみましょう。
また、目標売上から必要な広告費を計算する方法もあります。
それでは目標の顧客獲得数(CV数)を達成するためには、どれだけの広告費が必要となるのか、その計算方法・計算式をみていきましょう。
必要な広告費の基本計算式
目標の顧客獲得数(CV数)とコンバージョン率、CPCで以下の計算を行うことで必要な広告費用を算出することができます。
必要な広告費 = 目標CV数 ÷ (CVR ÷ 100) × CPC
例えば、以下のような条件だった場合、
【目標CV数】:50件
【CVR】:2%(0.02)
【CPC】:100円
計算を行うと、
50 ÷ 0.02 × 100 = 250,000円
となるため、目標の顧客獲得数を達成するには25万円の広告費が必要となります。
必要な広告反応数(見込み客数)を計算する
必要な広告費用の算出と同時に、必要な広告反応数(クリック数・見込み客数など)も計算できるので算出します。
CVRだけではわかりにくかったところがありますが、必要な広告反応数を把握することでより具体的な目標が見えてくるようになります。
以下の式で広告反応数(クリック数・見込み客数など)を算出できます。
広告反応数の基本計算式
目標の顧客獲得数(CV数)からCVRを割ることで必要な広告反応数を算出できます。
広告反応数 = 目標CV数 ÷ CVR × 100
例えば、以下のような条件だった場合、
【目標CV数】:100件
【CVR】:5%(0.05)
【CPC】:100円
計算を行うと、
100 ÷ 5 × 100 = 2,000件
となり、目標を達成するには2,000件の広告反応数が必要なことが分かります。
計算ツールを活用してみよう
これらの計算をいちいち手作業で行うというのは面倒でもあり、ミスも発生する場合があります。
多くのマーケティング担当者は専門のツールを使ってシミュレーションを行っているかと思いますが、そうでは無い方や、とりあえずざっくりと手軽に数値だけ計算したいという人にとっては、当ページの「目標の顧客獲得数(CV)から必要な広告費・見込客数を計算ツール」を使ってみてください。
試算結果から考える広告運用の改善
これらの計算をもとに、以下のポイントを検討してみましょう。
コンバージョン率(CVR)を向上させる施策を考える
広告費を抑えたいとおもった場合は、広告のコンバージョン率を向上させる施策を検討してみましょう。
具体的には、ランディングページの最適化(LPO対策)改善や、ターゲティングの精査を行います。
広告反応単価(CPC)を抑える工夫
CPCなど、広告反応単価を抑えるには、キーワードの最適化などを行います。定期的に広告のパフォーマンスを分析し、改善を続けることが大切です。
適切な予算配分
試算結果をもとに、広告予算をどのように配分するのかを具体的に考えてみましょう。
たとえば重要な要素が期間です。
どのくらいの期間で目標の顧客獲得数を達成したいのかによって、広告費の配分や戦略も変わってきます。
まとめ
目標の顧客獲得数(CV数)を達成するために必要な広告費や見込客数を把握することは欠かせません。
とりあえずざっくりと計算してみたいという人は、当ページのツールをご活用ください